フロートプレート法では、このようにプレートを橈骨から浮かせて設置します。プレートを骨から浮かせて設置することは通常のプレート法よりも技術的な難しさがあるのですが、このように設置することで様々なメリットを得られるようになります。
プレートが骨から浮いている(float)のでフロートプレート法と名付けました。 |
|
|
|
|
|
こちらは標準的なプレート設置法です。プレートと橈骨に間の隙間はありません。またスクリューとスクリューの間は等間隔でフロートプレート法のような隙間はありません。このように設置しても多くの場合で臨床的な問題になることはありませんが症例によっては術後の骨吸収が強くでて驚かされることがありました。 |
|
|
|
|
|
骨は生きている組織であり二種類の方法で栄養を得ています。骨膜血行と髄内血行です。右図の黄色い線が骨に栄養を供給している血管を示しています。骨の周囲から栄養を渡すのが骨膜血行で骨髄から骨に栄養を渡すのが髄内血行です。 |
|
|
|
|
|
骨の上に金属のプレートを置いてしまうと骨膜血行が遮断されてしまうのでどうしてもプレート下骨の状態が悪くなってしまいます。右図ではプレートの下の骨には骨膜血行が届いておらず骨の表面が変色しています。 |
|
|
|
|
|
フロートプレート法ではプレートが骨から浮いているため骨膜血行の障害が最小限です。骨の周囲には全周で骨膜血行が温存されておりプレート下骨の虚血性変化を防ぐことができるようになりました。
骨から浮かすためにプレートはロッキングプレートを使用する必要があります。 |
|
|
|
|
|
手術時の写真です。 プレートは橈骨から浮いた状態で設置されています
|
|
|
|
術後の外観です。プレートは皮膚の下に設置されているので皮膚縫合してしまうと外からは見えません。術後は2-3週間ロバートジョーンズ包帯を設置し、激しい運動は控えてもらいます。多くの場合でケージレストをお願いしていますので患者家族には自宅でのケージを準備してもらいます。 |
|
|
|
|
|
経時的な術後経過をレントゲン写真で示します。
骨折端には旺盛な化骨増生が認められるようになり(左から3番目)、、次いでリモデリングによって骨は少し細くなりますが骨折前よりは太い状況です(一番右)。このリモデリング期になるとプレートを除去することができます。多くの場合でフロートプレート法ではプレートの段階的抜去は必要ありません。 |
|
|
|
|
プレート除去時の写真です。プレート除去は日帰り手術です。プレートを除去した後、二週間程度ロバートジョーンズ包帯を設置して治療終了です。 |
|
|
|
|
|